昨年の報道で、2015年実施のPISA(OECD生徒の学習到達度調査)の結果、日本の生徒の「読解力」が、前回(2012年)の4位から8位に下がったことが伝えられました。その中で私は、「語彙力の低下」という点に、大きな懸念を抱いています。
いく度か書いたことがあるのですが、00年代後半以降、子どもたちもわれわれ大人も、身の回りが「便利になる」ことに、慣れ切っています。もちろん、それが悪いというつもりはありません。教育現場で活躍するICT機器、すなわち「ICT教育」の利点をも、大いに認めています。
が、「読解力」に関しては、その本筋は「文章を正しく読み取り、自分の考えをしっかり組み立てる」ことにあり、「文章」「ことば」を離れたところで、本質的な解決は図れないと、言わないわけに行きません。そして文章を正しく読みとるためには、「音読」がきわめて重要です。音読によりまず「正確に」読み、さらに音韻=言葉のしらべを通して、言葉と文章の持つ力を受けとめられるようになることで、読解力は飛躍的に進歩するのです。
4月から中3になる子たちの学年から、これまでの大学入試センター試験に代わる新テストが課されることになります。国語では記述式問題が導入される方向であり、「思考力」「表現力」などが求められる傾向であることは、既定の方針のようです。
また「アクティブ・ラーニング」という言葉も、よくお聞きになることでしょう。各教育現場でも、さまざまな方法が試行、実践されています。大勢はICTを用いることにあるようですが、良い文章を音読し、それについて自分の考えをまとめ、文章化し、さらにそれを発表して、話し合う、そうした国語の基本的、かつ本質的な取り組みも、積極的なアクティブ・ラーニングなのです。
勉強の手法や方向性が多様化する時代なればこそ、まずは文章をしっかり読むことができ、書くことを通じて自分の考えをきちんとまとめることのできる学力=国語力が、より強く求められるようになるでしょう。それがあらゆる知識や情報、学問を総合的に統べてゆく、根本の力なのですから。もちろんその力を身につける過程で、「読解力」はおのずと養われます。言問学舎は、そうした国語の勉強を望むお子様、保護者のみなさまのために、もっとも力になれる学習塾です。新しい一年、ここで本当の国語の力をつけてみませんか。
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