夏休みに入って、3日が過ぎました。ちょうど夏休みの初日あたりから、雨模様ですずしい陽気となり、今日は雨には降られませんでしたが、気温は正午に25度をほんの少し上回った程度だった模様です。
「詩の朗読」として、20日水曜日に伊東静雄の『秧鶏(くいな)は飛ばずに全路を歩いて来る』を、そして本日、立原道造の『ゆふすげびと』を発表致しました。しばらく伊東静雄を読んでみたいとお伝えしましたが、やはり夏休みは、立原道造をやってみたいという思いが強くなるため、今夏も不定期の形で、「夏休み中は立原道造」とさせていただきます。
立原道造が毎夏滞在したのは長野県の信濃追分で、軽井沢の室生犀星の家によく遊びに行っていたのは、「詩の朗読」で読ませていただいた犀星の「立原道造を哭す」などからも、よく知られるところです。今日朗読した『ゆふすげびと』は、それよりも早い時期で、立原が「鮎子」と呼んだ信濃追分の娘さんのことを、歌っています。
私は軽井沢に泊って追分へ遊びに行ったこともありますが、それは三十を過ぎて所帯を持ってからのことで、学生時代から二十代半ばにかけては、堀辰雄の『風立ちぬ』に描かれている八ヶ岳に、ふかくなじみました。ここ数日のように雨もよいのすずしい夏の陽気だと、小海線の甲斐小泉駅から甲斐大泉駅にかけての、わびしい単線が林の中へ消えてゆく様子などが目に浮かび、たまらなくなつかしくなります。自分自身の若い日のことなども思い返しながら、『ゆふすげびと』を読ませていただきました。
『ゆふすげびと』は小田原漂情 立原道造、『秧鶏は飛ばずに全路を歩いて来る』は小田原漂情 伊東静雄 の検索で、ご覧いただけます。
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