先般もご案内致しました通り、6月からつづけて来たYouTubeでの「詩の朗読」シリーズでは、室生犀星の散文を朗読して、ご紹介する期間に入っております。
昨日、昭和33年(1958年)に中央公論社から発行された室生犀星著『我が愛する詩人の伝記』朗読の第1回を発表しました。同書は、北原白秋、高村光太郎、萩原朔太郎、釈 迢空、堀 辰雄、立原道造、津村信夫、山村暮鳥、百田宗治、千家元麿、島崎藤村という11人の詩人について、犀星が実際の交際に基づく彼らとの交わりと、独自の批評をまじえた稀有な詩人論、鑑賞本であります(佐藤惣之助についても中央公論には執筆掲載されたのですが、佐藤家の抗議により、単行本には収録されていません)。すべての詩人の章にふれることはできませんが、特に犀星の人となりをよく伝える部分を、ご紹介していきたいと、考えております。
昨日の第1回では、高村光太郎の章の冒頭の1ページを読みましたが、このくだりでは、先に詩壇に押し出していた光太郎への畏敬と嫉(そね)みとを、率直につづっています。もちろん、光太郎没後5年を経、犀星自身も七十近い老大家のポジションにあったとはいえ、青年期の鬱屈した心を気取りなく吐露することで、高村光太郎という稀有なる詩人の功績をたたえ、その像を描き出すことに成功しています。
また、そうすることで室生犀星の詩人像もくっきりと立ちあらわれており、『我が愛する詩人の伝記』が特異な詩人伝であると、評価される所以になっています。
何回になるかわかりませんが、しばらくこの『我が愛する詩人の伝記』に取り組みたいと思います。次回は犀星が、光太郎と智恵子の新居である光太郎の駒込林町のアトリエをたずねるくだりを、ご紹介する予定です。
『我が愛する詩人の伝記』をご覧いただくには、「小田原漂情 室生犀星」で検索して下さい。
なお先日、大学時代の恩師や旧友たちと集まる機会があり、中学・高校や塾などで国語を教えているメンバーや恩師といろいろ話すことができましたが、「受験指導と本物の国語指導の両立」という言問学舎の社是に、いっそう思いを強くした次第です。ひきつづき、「詩の朗読」に加え、実際の授業展開においても、音韻を骨格とした国語指導に磨きをかけ、国語を真剣に学びたいすべての方のお役に立てるよう、力を尽くす所存です。
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