先日、2篇の詩を朗読して、過去の戦争が国民生活に与えた影響、その実相について考えました。ひきつづき、本日は昭和15年(1940年)に灰田勝彦先生が歌われた『森の小径』を歌わせていただき、ひとつの問題提起とさせていただく所存です。
『森の小径』は、灰田有紀彦先生作曲で、灰田勝彦先生の代表作の一つですが、この歌には戦時下、次のような背景が語り継がれています。
「今では書名も著者もわからなくなってしまったが、大学の図書館で見つけたある本に、次のような意味のことが書かれていた。『ある意味で、もっとも灰田勝彦らしいと言える一曲。淡い夢さえも現実にはみることを許されなかった戦時下の若者たちが、ひそかに愛唱したという。ある飛行兵は毎日わずかな空き時間に、基地のはずれでひっそりこの歌を口ずさみ、飛んで行って、そして再び帰らなかった。』
また、灰田先生ご自身の次の言葉も忘れられない。「(前略)しかし、あの夢のない時代に、『森の小径』を歌えたことが、たった一つ良いことをしたと胸に残っている。あの、いつ死ぬかも知れない時代に、ある人は喜び、ある人は夢をもってくれたとしたら、歌手になってよかったし、歌手として本望だったと思う。」
(小田原漂情著 『遠い道、竝に灰田先生』より)
現実の人生で、はかない恋さえも知ることなく、戦地に赴き、戦死された多くの若い命があったことを、忘れてはいけないと思います。こんにち、こうした戦時下の実相を知り、伝えることが、従来にもまして重要となっていると考えて、YouTubeでの公開をさせていただいた次第です。
小田原漂情 森の小径 で検索してください。
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