現在、10月18日土曜日から19日日曜日へと、日付が変わる頃ですが、中間テストのために勉強しておられる方も多いと思いますので、お約束しておりました<『山月記』サポート篇④〜李徴の「詩」について>を『国語力.com』上にアップしたことをお知らせし、いつものように一部をご紹介致します。
今回、今年のサポート篇のしめくくりとして、李徴の「詩」、すなわち作品中にあらわれる即興の詩の解釈(現代語訳)と、詩人たる李徴が「第一流の作品」を書くために、何をなすべきだったのかということを、詩歌にたずさわる身として自戒をこめながら、お話ししたいと思います。
はじめに、李徴が袁傪を前に即興で詠じた詩(七言律詩)を、見てみましょう。
<原文と書き下し文>
偶因狂疾成殊類 偶(たまたま)狂疾に因りて 殊類と成る
災患相仍不可逃 災患相仍(よ)り 逃るべからず
今日爪牙誰敢敵 今日爪牙(さうが) 誰(たれ)か敢(あ)へて敵せん
当時声跡共相高 当時声跡 共に相高し
我為異物蓬茅下 我は異物と為(な)る 蓬茅(ほうぼう)の下(もと)
君已乗軺気勢豪 君は已(すで)に軺(えう)に乗りて 気勢豪なり
此夕渓山対明月 此(こ)の夕べ 渓山 明月に対し
不成長嘯但成嘷 長嘯(ちょうせう)を成さず 但(た)だ嘷(かう)を成すのみ
<現代語訳>
自分は偶然、精神の疾患があったために、人間でない身となってしまった。
生まれ持った特質と不幸な誘因が重なったためで、もはや逃れることはできない。
今、虎である自分の爪と牙に、刃向うものは誰もいない(そんな「獣」の身だ)。
ああ、あの頃、君と自分とは、ともに俊才の名声を勝ち得ていた。
しかし我は異形の者となり、路傍の草むらに身を隠している。
一方君は、すでに高い身分の証である車上にあって、勢い盛んだ。
この宵、自分はこの深い谷山の上に光る名月に対しながら、
もはや長嘯を為すこともなく、ただ獣の叫び声を上げるばかりだ。
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