ことし1学期の『羅生門』『舞姫』につづき、2学期は「読解本篇」がかねて好評の中島敦『山月記』について、その「サポート篇」を、『国語力.com』に掲載して来ました。本日、その第3回の掲載を終えましたので、一部をご紹介致します。
さて、虎になった李徴と、「おそらく最後の人間らしい会話」をしたと思われる、「袁さん」についてです。今回は、読者のみなさまへの問いかけの形で、筆を起こしたいと思います。
①袁さんと李徴は、もともとどのような関係だったと考えられますか?
②袁さんの今の立場は、どんなものでしょうか?
③袁さんの心情は?
①について、まず本文から引用します。
<袁さんは李徴と同年に進士の第に登り、友人の少なかった李徴にとっては、最も親しい友であった。温和な袁さんの性格が、峻峭な李徴の性情と衝突しなかったためであろう。>
書かれている通り、李徴とは進士の合格同期生であり、李徴にとっては真意を明かすことのできる数少ない、というより、たぶん唯一の友人だったのでしょう。そのことは、袁さんにとって生命の危機であった、虎(実は李徴)に襲われた直後の彼の言葉と、虎(李徴)の行動からも、みてとれます。
<叢の中から人間の声で、「あぶないところだった。」と繰り返しつぶやくのが聞こえた。その声に袁さんは聞きおぼえがあった。驚懼のうちにも、彼はとっさに思いあたって、叫んだ。「その声は、我が友、李徴子ではないか?」>
虎である李徴は、相手がかけがえのない友(袁さん)だからこそ身を翻して襲うのを止めたわけですし(その瞬間に人間の側に覚醒したのだとしても)、袁さんは虎に襲われて命を落としかけた驚きと恐怖の中で、旧友である李徴の声を聞き分けたわけですから。
◇つづきは店舗情報詳細のURLリンクより、「国語力.com」の「国語教室近代」をご覧下さい。
また、『山月記』『こころ』を中心とする高校2年生対象の「中間テスト対策体験学習会」
を、以下の通り実施致します。
◇言問学舎<高校2年生国語>体験学習会
日 時:10月18日(土) 17:00〜18:30(90分授業)
対 象:高校2年生
内 容:中島敦『山月記』、夏目漱石『こころ』ほか、中間テスト対策
※古文・漢文希望者はご相談下さい。
参加費:400円(消費税込) ※ただし『国語力.com』で該当作品の記事をすべて読んでいる方は、無料。
定 員:4名
お申し込み方法:電話またはメールでお申し込み下さい。
電話 03−5805−7817
ご不明な点などは、言問学舎舎主。小田原漂情まで、お気軽におたずね下さい。
◇電話番号は以下の通りです。
03‐5805‐7817 「エキテン を見た」とお伝え下さい。
メールは「お問い合わせはこちら」よりお願いします。
◇国語全般の勉強に関しては、店舗情報詳細のURLより、「国語力.com」を、あわせてご覧下さい。
カテゴリー別
日付別
概要
住所
東京都文京区西片2丁目21−12