スマホやパソコンの長時間使用や姿勢の悪化により、当院でも眼精疲労を訴える患者様が増えています。特に冬は寒さから首をすくめやすく、首肩の筋肉がこわばることで血流が低下し、眼精疲労の原因になります。
眼精疲労は、近距離作業で目のピント調節(毛様体筋)や両眼の向き調整(内直筋)が酷使されることで起こります。画面を凝視する時間が長くなるとまばたきが減り、涙の蒸発が進んでドライアイを悪化させます。また、ブルーライトや照明環境、姿勢の乱れも負担を増加させる要因です。
近年の研究では、デジタルデバイス使用時間の増加が目の乾燥、かすみ、頭痛、肩こり、集中力低下などを引き起こすことが確認されています。瞬目回数の減少(20回/分→約5回/分)による涙液蒸発、近距離作業による筋疲労、ブルーライト暴露による自律神経への負担が主なメカニズムとされています。これらが連鎖的に起こることで、「目の疲れ」から「頭痛」や「肩こり」へと広がります。
対策としては、以下の3点が有効です。
①【筋肉のリセット】20分作業したら6m先を20秒見ることでピント調節筋を休ませる。
②【まばたきと加湿】意識的にまばたきを増やし、加湿器で乾燥を防ぐ。
③【セルフマッサージ】こめかみやまぶた周囲を優しくほぐし、血流を促進する。
また、画面輝度を周囲の明るさの1.5倍以内に設定し、ブルーライトカット眼鏡やナイトモードを活用することも有効です。
デジタル機器の使用を避けるのは難しい時代だからこそ、日々のセルフケアを意識し、眼と身体の健康を守ることが「健康な毎日への第一歩」です。