市房観光ホテル

2010年９月１日から市房山に調査旅行で訪れた時に一週間もの間お世話になった旅館です。熊本県南部に位置する市房山は熊本空港より鹿児島空港からアクセスしたほうが良く、それでも当地に到着するにはかなりの時間を要します。
かなりの「秘境」と東京に住む私には感じられたので、「どんな民宿なんだろう」とちょっと心配でしたが「市房観光ホテル」に到着した時にその心配は吹き飛びました。
建物自体はそれほど新しくはありませんが、トイレの隅まで掃除が行き届いたお部屋で、とても快適に過ごせました。

毎日の朝食や夕食もとても工夫が凝らされていて、山の中なのに海の魚を出すようなちぐはぐなこともせず、山の幸をふんだんに使った郷土料理を堪能出来ました。主として鹿肉を用いたメニューがメインディッシュで並ぶのですが、毎日違うメニューが出されるので飽きることがありません。ある日のメニューには自家製の燻製（ベーコン）が出されたことがありました。私も燻製を毎年作るのですが、まさか旅館で本格的なベーコンが食べられるとは思っておらず本当に感動しました。最終日は、猪料理も出して貰いました。本来なら8000円でイノシシ料理は赤字を出してしまうところでしょうが、亭主の計らいに心から感謝しました。

調査旅行は重い機材を運び、中腰の姿勢を数時間も保たねばならないこともあり、かなりの疲労がたまります。しかし、この旅館の温泉が本当に良泉で、体がスッキリし翌日に疲労が残りません。この温泉に本当に助けられました。地元の人もよく利用するらしく、お風呂の中で、当地の色々な話を聞かせて貰ったのも良い思い出です。

建物や設備（温泉を除く）はどこにでもある普通の民宿風旅館なのですが、亭主や女将さんのお人柄、料理、温泉、都会の喧騒を離れた素晴らしいロケーションと悪いところが見当たりません。
一週間の調査は大変でしたが、この旅館にとまれたことは本当に幸運でした。いつか、余暇ができたら、またこの旅館を訪れ、今度はゆっくりと自然を散策するようなゆったりとした時間を過ごしたいです。