焼きとんは全部100円です。
まずはビールでナンコツとガツを塩で頂きます。先代の頃は二本づつ頼まないといけなかったのが一本でも良くなりました。本物の炭火なので高温だからなのかカリッと焼き上がって口の中に旨味が広がります。
次はハツとレバーを頼んで老酒を燗して貰います。これが焼きとんになんだか合うんですね。ネギとヒモをタレで追加して黒ビール小瓶も老酒の脇役の為に注文します。
若い頃年配の方が黒ビールと老酒を一緒に美味しそうに飲んでていつか僕もあれをやりたいなぁと心に誓っていました。
飲み終わるとお会計は、店主がおもむろに食べたあとの串を手に取り一本二本と数えだします。串の合計と飲み物を足して合計金額を告げてくれます。
昔は勘定中に、追加の注文をして先代から『私はねぇ聖徳太子じゃないから。』と面白おかしく注意される人がいて、どっと沸いたものです。
今の店主の女性が焼き始めた頃は20年くらい前でしたか。その時は正直もうここに来るのは止めようと思いました。焼きかげんが微妙にマチマチで先代との差がかなりあったからです。
しかし久しぶりに食べてみると絶妙な焼きかげんになっていました。どんなに忙しい時も一番美味しい瞬間にサッと出してくれます。
女性の息子さんも時々焼いてくれます。母譲りの丁寧な接客です。しかしどの串も30秒くらい焼きすぎだと思うのですが『軽く焼いてよ。』の声にサラリと『すみませんこれしかやってません。』と答えています。自分のポリシーがあるのでしょう。
雪が降る日でも出入り口の引き戸は開けっぱなしなのは昔からの伝統です。炭火なので『みんなが眠くなると困るから。』だそうです(笑)。