数ある宝石の中で、最も歴史が古いものの一つ、エメラルド。 その歴史は紀元前4000年にまで遡ると言われています。中でも有名なのが、絶世の美女クレオパトラのエピソードです。 彼女はこの石をあまりに愛するあまり、自分専用の「クレオパトラの鉱山」を持っていたほど。 美しい緑色に、永遠の若さと権力の夢を重ねていたのかもしれません。また、ローマ皇帝ネロは、エメラルドで作ったサングラスを通して剣闘士の戦いを観戦したという伝説も残っています。古代から権力者たちを魅了し続けてきた、吸い込まれるような深緑。緑色は安らぎや再生の象徴であり、「目を癒やす石」として現代においても愛され続けています。忙しい日々のふとした瞬間に手元のエメラルドを眺めるだけで、深い森の中にいるような静寂を感じることができますね。その一粒には、数千年のロマンが凝縮されています。 もしお手元に眠っているエメラルドがあれば、それは現代に受け継がれた小さな歴史そのものなのです。美しくてつい、見とれてしまいますね。