美しい女性の横顔が彫られたカメオ。 「きれいだけど、これは何のためのお守り?」 そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。実はカメオが誕生した古代ギリシャ・ローマ時代、その役割は大きく二つありました。一つは、神話の神々や英雄を彫った「お守り」として。 もう一つは、偉大な王や皇帝が自分の横顔を彫らせた「権威の象徴」**としてです。 当時は、自分の権力を示すための「身に着ける小さな彫刻」だったのですね。やがて時代が下ると、その芸術性が愛され、ヴィクトリア女王が愛用したことなどで「おしゃれなアイテム」として大流行します。 また、愛する人の肖像を彫って贈る「ロマンチックな愛の証」としても大切にされてきました。カメオは「お守り」「権威」「愛」など、時代ごとの大切な想いを形にして身に纏うための、とても特別なジュエリーだったのです。奥深い歴史と背景があって、面白いですよね。