いま指導しているA君は小5くらいから不登校になりました。
中3になるまで全く学校に行ってなかったのでお母さんは高校進学のことを心配されていました。
なにせ中1の正負の数の計算もわかっていないので、受験のための勉強といってもどこから手をつけたらいいかわからないというのが現状でした。
僕は次のような提案をA君親子にしました。
「1年生の基礎から順番にチマチマやっていたら受験に間に合わへん。
受験に出る問題だけ重点的に教えてあげるから、
3年生が今習っている『展開・因数分解』から勉強せえへんか。
正負の数の計算ができなくても大丈夫。
展開、因数分解をする中で身についてくるから。」
お母さんは中3の所から勉強するということにとても希望を見出されているようでした。それはA君も同じで前向きなやる気が感じられました。
さて4月の下旬から家庭教師をスタート。
まずは次のような問題から手取り足取り優しく教えていきました。
2a(a+6b)
3a(a−3)+a(2a−4)
(x+2)(x+1)
<指導ポイント>
1、やって見せ、やらせて見せて、出来たと共に喜ぶ
2、理解させようとしないで、技術を伝える感じで真似させる
3、同じ問題を繰り返し反射的に答えが出るようにする
4、頭で理解させるのではなく、感覚的に身につけさせる
5、指導は前々回、前回身につけた所の復習から始める
このように指導していくとA君はどんどん勉強に積極的になっていって、自主的に勉強してくるようになりました。
長年不登校だった子は、高校には進学したいけれど勉強を一体どこから手をつけていいかわからないというのが本当のところです。
そこに「こうすればいいんだよ。中学校の基礎も身につくし、高校受験だって心配ないんだよ。」とその具体的な方法論を提示してあげて、実際にやってみたら出来たと自信をつけていく。
それが安心感や前向きな意欲につながっていきます。
そして家庭教師と信頼関係を築いていく中で「人に対する信頼」も取り戻していくのです。
不登校の子は人に対する警戒心や不信感が人一倍強いものです。
安心して人と関わるためには「人に対する信頼」が必要です。
「人に対する信頼」が持てるようになれば、学校にも社会にも出られるようになるのです。
*写真はイメージです。A君ではありません。
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