まるで実家の晩酌「魚菜房 はな」でほっとする夜ごはん
湯島の一角にある「魚菜房 はな」。カウンターに座ると、笑顔の女将さんがにこやかに迎えてくれて、その瞬間からふっと肩の力が抜けていきます。この日は「おまかせコース」で、魚中心の小料理を一皿ずついただきました。
最初に出てきたのは、お通し三品。切り干し大根の煮物、ぬか漬け、ちょっと炙った干物。それぞれに丁寧な手仕事が感じられて、箸を運ぶたびに「やさしい味だなあ」と思わずしみじみ。ぬか漬けは程よい酸味と塩加減、干物は香ばしく、煮物はじんわりと出汁が効いていました。
次に登場したのはお造りの盛り合わせ。中トロは口に入れた瞬間にとろけるようで、脂の甘さがじんわり。鯛はぷりぷりとした弾力、白身はふんわりと淡くて、鮮度の良さがはっきり伝わってくる味わい。どのお刺身も、さっとつけた醤油だけでじゅうぶん、そのままで美味しい。
焼き物はエボ鯛とサバの文化干し。外はパリっと香ばしく、中はふっくら。脂ののり具合がちょうど良くて、ご飯が欲しくなるような味でした。焼き魚ってシンプルだけど、焼き加減ひとつでこんなに感動できるんだなと再認識。
そして、冶部煮風の煮物。とろみのある出汁が絡んだたけのこや焼き豆腐が、口の中でふわっとほどけていきます。優しい味付けで、体の奥から温まるような心地よさでした。
揚げ物は鰤の南蛮漬け。ふんわり揚がった鰤に、甘酢のあんがちょっとだけピリッと効いていて、さっぱりいただけました。お酒がぐいっと進む味わいです。
どのお料理にも家庭のようなぬくもりと、丁寧に作られた安心感があって、食べ終えた後はまるで実家に帰ってご飯を食べたような気持ちに。会話も空間も、何もかもがちょうど良くて、またふらっと寄りたくなる。そんなお店でした。
- 湯島駅
- 日本料理
丁寧な味が心に染みる「信玄」で、しっとり味わう和の贅沢
湯島の落ち着いた路地に佇む「信玄」でいただいた夜ごはん。扉を開けた瞬間に広がる和の静けさと、ほのかに香る出汁の匂い。カウンターに腰掛け、ゆったりと流れる時間の中で、季節の料理を少しずついただきました。
まず最初にいただいたのは、お造りの盛り合わせ。ぷりっとした食感の中にほんのり甘みのある赤身、透き通るような白身はしっとりと舌に馴染み、どれも鮮度が際立っていました。醤油を少しだけつけると、素材の味がいっそう引き立ち、噛みしめるほどに海の香りがふんわりと広がります。
次に運ばれてきたのは、季節の天ぷら。衣は薄くてサクッと軽やか、海老はぷりっと弾力があり、野菜はそれぞれの甘みが際立っていて、天つゆでも塩でもどちらでも楽しめるバランスの良さ。特に茄子の天ぷらはジュワッと旨みが溢れ、香ばしい衣との対比が美味しくて印象に残りました。
続いていただいたのは、炊き合わせの煮物。柔らかく炊かれた大根や人参は出汁の旨味をたっぷり吸い込んでいて、口に入れた瞬間にほろっと崩れるやさしさ。しみじみとした甘さが体にすっと染み渡るようで、ほっとため息が出ました。
締めにはご飯とお味噌汁。ふっくらと炊かれたご飯は粒が立っていて、ほんのり甘みを感じられる上質な味わい。味噌汁は出汁がしっかりと香り、具材は控えめながら、食事の締めくくりにふさわしい滋味深さでした。
「信玄」の料理はどれも手間を惜しまず、素材そのものを丁寧に扱う姿勢が伝わってくるものばかり。心を落ち着かせてじっくり味わいたくなる、そんな静かな和の贅沢が詰まった一夜でした。
- 湯島駅
- 日本料理
心がほどける和のひと皿「旬菜なんてん」で味わう、さば塩焼き定食の滋味
湯島の「旬菜なんてん」でいただいたのは、サバの塩焼き定食。お店に入ると、ご夫婦の穏やかな声に迎えられ、カウンター席に案内されました。こぢんまりした店内に、焼き魚の香ばしい香りがふわりと漂っていて、それだけで気分が上がります。
ほどなくして運ばれてきた定食は、思わず「わぁ」と声が出てしまうほど、美しく整った一膳。主役のサバの塩焼きは、表面がこんがりと焼かれていて、皮はパリッと香ばしく、中の身はふっくらとジューシー。脂がしっかりのっているのにくどさがなく、塩加減も絶妙で、噛むほどに魚の旨みがじわっと広がります。添えられた大根おろしがまた良い仕事をしていて、一緒に食べると口の中がすっきりと整えられて、また次の一口が待ち遠しくなります。
セットのお味噌汁は、丁寧にとられた出汁の香りがしっかりと感じられ、優しい味わい。具は季節の野菜がふんだんに使われていて、体にしみ込むような美味しさでした。副菜の小鉢にはほうれん草のお浸しと、切り干し大根の煮物。どちらも出汁の風味がしっかりと活きていて、主張しすぎず、食卓にそっと寄り添ってくれる味。
お米もつやつやと炊かれていて、粒立ちがよく、どの料理とも相性抜群。まさに“和食を丁寧にいただく”という喜びが詰まったひとときでした。
豪華な食材ではないのに、しみじみとした幸福感が広がっていく、そんなやさしい味わい。忙しい日常の中で、ふと立ち止まってほっとできる、そんな場所が「旬菜なんてん」にはありました。
- 御茶ノ水駅
- 日本料理
丁寧な仕事が光る「魚源商店」で味わう、和の滋味と季節の恵み
駒込の静かな通り沿いにある「魚源商店」で、予約して和会席をいただきました。お部屋は掘りごたつ式で足元も楽々、静かな空間で落ち着いて食事ができるのが嬉しいポイントです。
最初に運ばれてきたのは、松花堂風の前菜盛り合わせ。小鉢にはほうれん草のお浸し、白和え、出汁巻き卵、炊いた根菜などが美しく並び、それぞれの味付けが控えめで、素材の風味がしっかりと活きています。白和えはとても滑らかで、ふんわりとした甘さとコクが広がり、お箸が止まりません。
お刺身は三種盛りで、特に印象に残ったのが白身魚。もっちりとした食感の中に、ひんやりと清らかな甘さが感じられて、わさびをほんの少し乗せるだけで素材の力を十分に感じられる味わいでした。
焼き物は、皮目をこんがり焼いた鮭。脂がのっていて、ふわっとした身が口の中でほぐれ、皮の香ばしさと一緒に食べると香りとコクの相乗効果で幸せな気分に。付け合わせの酢の物は、口の中をさっぱりと整えてくれます。
煮物として出されたのは信田巻き。しっかりと出汁を含んだ油揚げの中には、にんじんや牛蒡、ひじきが丁寧に巻かれており、噛むほどにじんわりと出汁の旨みが染み出てきます。これぞ和のやさしさ。
全体を通して、どの料理にもひと手間かけた丁寧さが伝わってきて、一品一品をじっくり味わいたくなる内容でした。器の選び方も季節感があって目にも楽しく、まさに“ゆったりと味わう和のごちそう”という印象。派手さはないけれど、食べ終わった後に深く満たされるような、そんな優しい夜のひとときでした。
- 駒込駅
- 日本料理
ぷるぷるもつと出汁のしみじみ「きんしゃい博多」で、博多の夜を味わう
湯島の裏通りにある「きんしゃい博多」で、久しぶりのもつ鍋をいただきました。カウンターに座ると、店主のあたたかい声と、厨房から立ち上る出汁の香りに包まれて、自然と肩の力が抜けていきます。
頼んだのは、もちろん「もつ鍋(醤油味)」。運ばれてきた鍋の中で、キャベツやニラがぐつぐつ煮込まれ、ぷるっぷるのもつが顔をのぞかせる光景に、思わず笑みがこぼれます。一口すくって口に入れると、醤油ベースの出汁がとてもやさしく、それでいてしっかりコクがあって、もつの旨みがじゅわっと広がります。
もつは臭みも全くなく、脂がとろけるように口の中で滑らかに広がり、噛むたびに幸せが訪れるような美味しさ。キャベツの甘さとニラのほろ苦さも、出汁と見事に調和していて、箸が止まりません。
そして、〆にはちゃんぽん麺を投入。出汁をしっかり吸った麺はもちもちで、口当たりもつるんと心地よく、鍋の余韻をたっぷりと楽しめる一杯でした。途中で柚子胡椒を加えると、ピリッとした爽やかな香りが加わって、また違った表情を楽しめました。
店内はどこか博多の屋台を思わせる温もりがあり、静かすぎず賑やかすぎず、ちょうどよい心地よさ。丁寧な仕事ぶりが感じられる一皿に、心も体も満たされる夜でした。また寒い季節になったら、ふらっと立ち寄りたい、そんな一軒です。
- 湯島駅
- 日本料理
和の滋味と遊び心を一皿ずつに感じる「おお田」で、ふわりやさしい夜ごはん
根津の路地裏にある「おお田」で、しっとりとした時間を過ごしました。ほんのり明るい照明の店内は、木のぬくもりが感じられる落ち着いた雰囲気で、ゆっくりとした気持ちで席に着くことができます。
まずいただいたのは「帆立の天ぷら」。衣は軽やかで油っこさが全くなく、カリッと揚げられた中からホタテの甘みがじゅわっと広がります。出汁の香りがほのかに漂い、口に運ぶたびに幸せな気分に。
次に登場した「里芋とイカの煮物」は、見た目からすでにやさしさが滲んでいました。とろとろの里芋に、イカの旨みがしっかりと絡んでいて、どこか懐かしい味わい。口に入れた瞬間、ふわっと甘い出汁が広がり、思わず目を閉じてしまいました。
続いて「だし巻き玉子」。ふっくらと焼き上げられた玉子から、じゅわっと染み出る上品な出汁。甘すぎず、ほんのり塩気の効いた味付けで、ひとくちごとに心がほどけていくようでした。
そして少し意外な「ナポリタン」。これが、どこか懐かしくも新鮮。ケチャップの酸味が野菜やソーセージとしっかり絡んでいて、ほっとする味わい。和のコースの中にあっても違和感なく、むしろ心地よいアクセントになってくれました。
ひと皿ひと皿に丁寧さが宿り、優しさとユーモアを感じさせてくれるお料理たち。大将と女将さんのあたたかさも含めて、このお店全体が“やわらかい夜”をつくってくれているようでした。ゆっくりとした時間の流れの中で、お腹だけでなく心まで満たされた夜でした。
- 春日駅(東京)
- 日本料理
おでんの湯気に包まれて「ぎおん」で味わう、やさしい昭和の味
本郷三丁目の路地にある「ぎおん」で、あたたかな夜ごはんをいただきました。店内はカウンターだけのこぢんまりとした空間で、ご夫婦が切り盛りするその雰囲気に、初めてでもどこかほっと心がなごみます。
最初にいただいたのはおでんの盛り合わせ。大根は出汁をたっぷり吸っていて、口に入れた瞬間じゅわっと溶けるよう。はんぺんはふわふわで、優しい甘さがふんわりと広がっていきます。昆布はやわらかく炊かれていて、噛むごとに深い旨みがじんわり。おでんの出汁自体がしっかりとしたコクがありながらもすっと飲める軽やかさで、どの具材にもじっくり染み渡っていて、まさに沁みる味わい。
続いていただいたまぐろぶつは、厚めに切られた赤身がプリッとした食感で、醤油を少しつけると旨みがぐっと引き立ちます。鮮度の良さがしっかり伝わる、しっかりとした満足感。
そして、牡蠣フライ。衣はカリッと軽く、中の牡蠣はとろっとジューシー。口の中で海の香りと旨みが一気に広がり、レモンを少し絞ると味が引き締まって、箸が止まらない美味しさでした。
最後にぬか漬けをいただいたのですが、これがまた絶品。ナスや赤かぶ、野沢菜はそれぞれしっかりと漬かっていながらも、塩気や酸味が絶妙で、手間暇かけられていることが伝わる味でした。
どの料理にも丁寧な手仕事が感じられて、家庭的であたたかな味に満たされる時間でした。日常に少し疲れた日に、そっと寄りたくなるような、そんな心がほどける和食の店でした。
- 本郷三丁目駅
- 日本料理
肉の旨味がジュワッと広がる「肉食 誠次郎」のハラミ定食で至福の夜ごはん
文京区にかつてあった「肉食 誠次郎」で、名物のハラミ鉄鍋定食をいただいた日の記憶は、今でも鮮明に残っています。席に着くとすぐに運ばれてきた鉄鍋の上で、ハラミがじゅうじゅうと音を立て、立ち上る香ばしい煙に思わず目を細めました。
ひと口噛むと、表面は香ばしく中は柔らか。ハラミならではの繊維感と噛み応えがありながら、全く硬さは感じず、口の中で旨味がジュワッと広がっていきます。合わせられた甘辛いタレは濃すぎず、肉の味を引き立てるように寄り添ってくれるちょうど良さ。玉ねぎと一緒に頬張ると、シャキシャキの食感と自然な甘みが加わり、どんどん箸が進んでしまいました。
セットのごはんも粒立ちがよく、ほんのり甘さを感じる炊き加減で、肉の旨味をしっかりと受け止めてくれます。味噌汁も香り高く、丁寧に出汁が取られていることが分かる優しい味わいでした。
ハラミ好きにはたまらないボリュームと、心地よい脂のバランス。肉を「食べるぞ」という気分の日にぴったりの一皿で、名前の通り“肉食”心を満たしてくれるお店でした。
- 東大前駅
- 日本料理
大人の夜時間「居酒屋こうた」で味わう、根津の和食小料理♪
根津の静かな夕暮れ、「居酒屋こうた(肴太)」にふらり立ち寄り。カウンターとテーブルがほどよく配置された店内に入ると、お通しから「今日は期待できそう…」と気持ちが上がります。
まずは刺身の盛り合わせ。目にも美しく盛られた鮮魚は、一口噛むとプリプリの食感とともに海の甘みがじんわり広がり、赤身のマグロはほどよい脂と質の良い旨味が舌に残りました。
続いては厚揚げ煮。外は香ばしく、中はふんわり。出汁がしっかり染み込み、噛むほどにコクがじわじわ。優しい甘さの汁も最後まで舐めたくなるほどで、日本酒との相性が抜群でした。
それから季節の小鉢(たとえばセロリと鶏砂肝の和えもの)。セロリのシャキシャキと砂肝のコリコリが楽しい食感で、ほんのり出汁と醤油の風味が染み込んでいて、「こういう一皿が好き!」と心がざわつく美味しさ。
ドリンクは冷蔵庫から静かに出された地酒を。キリッとした味わいが魚の甘みや出汁の余韻にぴたりとはまって、飲み食いのリズムが心地良く流れます。
最後に出てきただし巻き玉子は、厚みふんわり、噛むとジュワッと出汁が弾け、やさしい甘さがじんわり。まるで温かい家庭の味のようで、肩の力がすぅっと抜けるほど安心感がありました。
ひと皿ずつ丁寧に料理される様子を見ながら、ゆっくり味わう時間。店主さんの気配りも心地よく、常連さんらしき方との軽やかな会話も温かさを添えて。大人が落ち着いて飲むのにぴったりな、そんな一軒です。
また次回は、地酒と季節の魚の組み合わせをもっとじっくり楽しんでみたい。根津で「ちょっといい和食とお酒」を味わう夜には、「居酒屋こうた」は心からおすすめしたくなるお店でした😊
- 根津駅
- 日本料理