まるでご近所の馴染み酒場で過ごす、心和む一夜
扉を開けると、店内はカウンターと小上がりが並ぶこぢんまりとした空間で、地元のお客さんが常連風にくつろいでおり、“旅先の居酒屋”というより“地元の一軒”の彩りを感じました。 
席に着くと、女将さんが「お疲れでしょう。ゆっくりしてくださいね」と声を掛けてくれて、深くホッとできる雰囲気。まず出された枝豆とお通し(切り干し大根風)に、手際良さと丁寧さを感じ、「ここは食事だけでなく“くつろぎ”に来る場所だな」と思いました。 
串を頼んだ際には、焼き台から立ち上る煙と香ばしい匂いが、もっとゆったり過ごさせてくれました。ひと口目の皮串のカリッとした音と、ガツンとくる旨味に、「いい炭火だな」とつい感心。店主さんが「今、火が落ち着いたところだから」と教えてくれて、ペースを見てくれていると感じたのも嬉しかったです。
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炭火の音と笑顔の連鎖が生み出す、ふらり立ち寄り夜時間
ひとり旅の終盤にふらっと訪れた 焼鳥谷やん。店内はカウンター10席ほどのこぢんまりした空間で、暖色の明かりと炭火が立ち上る香りにまず“今日ここにして良かった”と感じました。
カウンターに腰掛けると、店主さんが「お好きな串から始めましょうか」と自然に声をかけてくれ、その“入口”の心遣いに、ふと肩の力が抜けました。焼き台越しに丁寧に焼かれていく串たちは、ジューッという音と共に、素材の香りが立ちのぼります。特に、せせりと皮を頼んだ時の焼き上がりが印象的で、皮はカリッと香ばしく、せせりは旨みがじゅわっと口中に広がりました。 
また、串の合間に旬の一品として出てきた〝銀鱈の串焼き〟が、深い味わいでとても印象的でした。他では“焼き鳥屋”という枠では見られない魚介の串があるあたり、店主さんのこだわりをひしひしと感じました。 
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温もりと魚の旨みが染みる夜、酒処・美ゆ喜でのひととき
先日、ひとりで疲れを癒そうと思い、 酒処・美ゆ喜 を訪れました。カウンター中心の落ち着いた空間に着席すると、ひと息つく間もなく「お好きな席どうぞ」という女将さんの柔らかな声掛けにほっとしました。周囲は常連の方々が静かに杯を傾けていて、ふと私もこの場の一員として迎え入れられた感覚がありました。
料理が運ばれてからも、ただ出されるだけという感じではなく「今日いい魚が入りましたので」など、旬の素材をひとつひとつ説明してくださり、味わいに対する期待値が自然と高まりました。実際、煮付けの魚は身がほろほろとほどけ、口に含むたびにじんわりと旨みが広がり、「魚ってこんなに満たされるものか」と感じました。
特に印象深かったのは、料理の合間に女将さんが「寒かったでしょう、温かいもの持ってきましょうね」と温かい茶碗蒸しを用意してくださったこと。寒い夜だったこともあって、その気遣いが心に染み、「ここは料理だけでなく人のあたたかさもあるお店だな」と思いました。さらに、お酒を頼んだ際も「お味、いかがですか?」と声をかけてくださり、グラスが空になったらさりげなく次を勧めてくださる。流れが自然で、押しつけがましさが全くなくて居心地がよかったです。
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心に残る“お帰りなさい”の宿時間
家族で 民宿まつよ に泊まりました。外観も内装も、どこか懐かしく素朴で、到着した瞬間から「旅先で安心できる場所だな」と感じられました。玄関で女将さんがにこやかに迎えてくださり、荷物を運ぶ手伝いまでしてくださったのが印象的です。
お部屋は和室で畳の香りがほのかに漂い、窓からは静かな海辺の風景が感じられました。息子も「布団ふかふかで寝やすかった」と言っていて、親としても安心して休むことができました。ちょうど夕食の準備が整った頃、食堂に案内してくださり、女将さんとご主人の気さくな会話にほっと一息。宿泊者同士も自然と顔を合わせて、初対面ながらにこやかに言葉を交わす雰囲気があり、家族旅ならではの温かさを感じました。
夕食の際は、「今日はいい魚が入りましたよ」とご主人が軽く説明してくださって、料理が出てくるたびに「どうですか?」と声をかけてくれたのも嬉しかったです。見た目の美しさだけでなく、ひとつひとつ丁寧に仕上がっていて、食べ進めるうちに「ここを選んでよかった」と実感しました。感動したのは、食事後に子ども向けに用意してくださった温かいお茶菓子と、お絞りの替えを気にかけてもらえたこと。細かな配慮が行き届いていて、宿というより“おもてなしの家”に泊まったような気持ちになりました。
朝、布団をたたんで外に出ると、女将さんが「朝の散歩、海沿いも気持ちいいですよ」と声をかけてくださり、息子と二人で少し早起きして海辺を歩きました。宿に戻ると、朝食前に温かいお味噌汁と紙コップのお茶を手渡してくださり、何気ないやさしさが“旅先での安心感”を強めてくれました。朝食後の片付けも、女将さんが「ゆっくりしててくださいね」と声をかけてくださり、急かされることなく出発できたのもありがたかったです。
ひとつだけ気になったのは、建物が少し古さを感じさせる部分があったこと。ただ、その“古さ”が逆に味わいであり、気になるというよりは“昔ながらの旅宿らしさ”として私は好印象でした。
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