都営浅草線・戸越駅から徒歩すぐ、商店街の一角に佇む「ますや」は、地元に長く愛される老舗の日本料理店。昭和の面影を残した落ち着いた店構えで、暖簾をくぐれば、どこか懐かしい雰囲気と丁寧な料理が出迎えてくれる。

この日は定食スタイルの「焼き魚定食」を注文。この日の魚は鯖の塩焼きで、皮はパリッと、身はふっくら。塩加減も絶妙で、ごはんがどんどん進む。添えられた大根おろしとレモンがまたさっぱりとしていていい。

小鉢には季節の煮物とおひたし、味噌汁には具材がたっぷり入っていて、ひとつひとつが手作りの味。素材の良さと出汁の風味がしっかり感じられ、体にやさしく染み入るような一膳だった。

夜は一品料理を中心に、煮物や揚げ物、焼き物など、和食の基本をしっかり押さえたメニューが並ぶ。中でも「だし巻き玉子」や「鯛のかぶと煮」が人気とのこと。日本酒も数種類用意されていて、料理との相性を楽しむことができる。

「ますや」は、日々の中でふと立ち寄りたくなるような、気取らない和食処。何気ない一食の中に丁寧な仕事が詰まっていて、心も体も満たされる。次回は夜に訪れて、じっくりと酒と料理を楽しんでみたい。

JR大崎駅からすぐ、「九州熱中屋 大崎LIVE」は、九州の名物料理と焼酎をガツンと楽しめるエネルギッシュな居酒屋。店名の“LIVE”の通り、店内は活気に満ちていて、料理人の掛け声や客の笑い声が飛び交う、まさに“熱中屋”の名にふさわしい空間だ。

この日頼んだのは名物「活サバ刺し」。透明感ある新鮮な身にまず驚き。口に入れるとぷりっとした食感とサバの甘みが広がり、まるで現地で食べているかのような鮮度だった。

続いて「博多名物・鉄鍋餃子」。一口サイズでパリッと香ばしく焼き上げられ、タレをつけずとも十分に味がついていて、お酒のつまみにぴったり。ハイボールとの相性も最高。

「チキン南蛮」は甘酢とたっぷりのタルタルが絶妙に絡んでいて、ボリュームもしっかり。さらに「馬刺し三種盛り」も注文し、赤身やたてがみ、霜降りと、それぞれ違う食感と旨みを楽しめた。

ドリンクは九州の焼酎を中心にラインナップが豊富で、芋・麦・米と一通り揃っている。焼酎初心者でも店員さんが丁寧に説明してくれるのが嬉しい。

ガッツリ食べて、しっかり飲みたい時にうってつけの「九州熱中屋 大崎LIVE」。仲間と賑やかに九州の味を楽しむ夜に、また訪れたくなる元気をもらえる一軒だった。

JR五反田駅から徒歩圏内、雑居ビルの一角にある「川平（かびら）」は、沖縄料理と泡盛を中心に楽しめる小さなレストラン。店内に一歩入れば、そこは都会の喧騒を忘れさせる、ゆるやかな島時間が流れる空間。木の温もりと琉球民謡が心地よく響く。

まず注文したのは定番の「ゴーヤチャンプルー」。しっかりとした苦味と、豚肉や島豆腐の旨みが絶妙に絡み合い、シンプルながら後を引く味。ビールはもちろん、泡盛との相性も最高だ。

続く「ラフテー（豚の角煮）」は、箸でほろっと崩れる柔らかさ。甘辛いタレがしっかり染み込んでいて、脂の部分もくどくなく、思わずご飯が欲しくなる味わい。小鉢に添えられた島らっきょうの塩漬けがいい箸休めになる。

また、「海ぶどう」や「もずく天ぷら」といった海の幸も新鮮で、ぷちぷち・サクサクとした食感が楽しい。締めには「沖縄そば」を。優しいカツオ出汁の香りと、もちっとした麺が心を落ち着かせてくれる。

泡盛の種類も豊富で、初心者にも飲みやすい銘柄からしっかりとした古酒まで揃っているのが嬉しい。店主に相談すれば、料理に合わせたおすすめを丁寧に教えてくれる。

五反田の街中で、まるで沖縄を旅するような気分に浸れる「川平」。気取らず、けれどしっかりと島の味を感じたい夜にふさわしい一軒だった。次は友人を誘って、島料理を肴に泡盛をじっくり味わいたい。

大井町駅から歩いてすぐの場所にある「SAKANAYA 粋（すい）」は、名前の通り“魚”にこだわり抜いた居酒屋。漁港直送の鮮魚を活かした料理の数々は、どれも鮮度・味・ボリュームともに文句なし。店内は木を基調にした和モダンな空間で、活気がありながらも落ち着いて過ごせる雰囲気だ。

まず頼んだのは「本日のお刺身盛り合わせ」。マグロ、鯛、カンパチ、しめ鯖など、5〜6種が豪快に盛られて登場。特に驚いたのがその厚みと艶やかさ。新鮮なネタを分厚く切る潔さに、魚への自信がうかがえる。醤油も数種類用意されており、味の違いを楽しみながらいただける。

続いて「金目鯛の煮付け」を注文。ふっくらと煮上がった身に、甘辛いタレが絶妙に絡み、口に入れた瞬間にホロリとほぐれる。骨までしゃぶりたくなるような満足感で、日本酒との相性も抜群。

「白子ポン酢」や「牡蠣の天ぷら」など、季節によって替わる逸品料理も充実していて、何度来ても飽きない構成。ドリンクは日本酒に力を入れており、店主おすすめの地酒を魚に合わせて楽しめるのも魅力。

「SAKANAYA 粋」は、魚料理をしっかり味わいたい夜にぴったりな一軒。上質でありながら気取らず楽しめる空気があり、ふらっと立ち寄っても、特別な一夜にも応えてくれる。次はどんな旬の魚に出会えるか、楽しみになるお店だった。

都営浅草線・戸越駅から歩いてすぐ、静かな路地に佇む「春の日」は、日常の延長線上にあるやさしい和食を楽しめる一軒。こぢんまりとした店内は、木の温もりと柔らかな照明に包まれ、まるで知人の家に招かれたような安心感が広がっている。

この日は「季節の晩酌セット」を注文。まず供されたのは「鯛の昆布締め」と「菜の花の辛子和え」。どちらも春を感じさせる一品で、口に含むとやさしい出汁と素材の風味がじんわりと広がる。

次に「鶏とごぼうのつくね煮」。甘辛く炊かれたごぼうの香りと、ふっくらとした鶏の旨みが見事にマッチしていて、思わず日本酒をもう一杯。店主おすすめの純米酒もクセがなく、料理との相性は抜群だった。

締めには「筍ご飯とお味噌汁」。炊き立てのご飯から立ちのぼる香りに癒され、筍のシャキッとした食感とやさしい味わいで、季節の終わりをしみじみ感じることができた。

全体的に派手さはないが、どの料理も丁寧に仕込まれており、素朴でやさしい味が心に残る。食べ終えた後、ほっとするような満足感が得られる「春の日」は、静かに和の食事を楽しみたい時にぴったりの一軒。また季節を変えて、次の“春の日”を味わいに訪れたい。

東急池上線・荏原中延駅からすぐ、商店街の一角にひっそりと佇む「寿司 与多朗」は、肩肘張らずに本格的な寿司を楽しめる、地域密着型の寿司店。昔ながらの暖簾をくぐると、あたたかみのあるカウンター席と、どこかほっとする空気が迎えてくれる。

この日は「握りおまかせセット」を注文。まずは中トロ、鯛、赤貝といったネタが登場。中トロは脂がのっていながらしつこくなく、シャリとの一体感が素晴らしい。鯛は昆布締めになっており、旨みがじんわり広がる。

続くいくらや穴子も、それぞれの持ち味をしっかり活かした仕上がり。穴子はふっくらと煮上げられ、甘めのタレと相性抜群で、思わず笑みがこぼれる味わいだった。

サイドメニューには「かんぴょう巻き」や「玉子焼き」などの巻物もあり、締めにもぴったり。特に玉子はほんのり甘く、ふんわりとした口当たりで職人の丁寧さが伝わる一品。

気さくなご主人との会話も心地よく、寿司の話や旬のネタについて教えてくれるのもこの店ならではの楽しみ。価格も良心的で、普段使いできる敷居の低さも嬉しい。

「与多朗」は、特別な日だけでなく、日常の中で“今日は美味しい寿司が食べたいな”と思ったときに立ち寄りたくなる、そんな寿司屋。次は季節のネタを楽しみに、またふらりと訪れたい。

五反田駅から少し歩いた落ち着いたエリアに佇む「澤崎」は、和の技と季節の食材を丁寧に掛け合わせた日本料理が楽しめる、本格割烹の一軒。店内は木を基調にした静謐な空間で、カウンターからは料理人の所作を間近に楽しむことができる。

この日は「おまかせコース」をいただいた。先付けは「うるいとホタルイカのお浸し」。春の訪れを感じさせる香りと柔らかな苦味、そして出汁の奥行きが絶妙なバランスで広がる。

続く椀物は「甘鯛の葛叩き」。透明感のある椀の中に、ふわりと浮かぶ甘鯛のやわらかさと上品な出汁。食べるたびにじんわりと心がほどけていくような一杯だった。

お造りは、熟成させた平政・本鮪・槍烏賊の三種。特に槍烏賊は塩と酢橘でいただき、その甘みと食感が印象深い。包丁の入れ方にも繊細な技が光る。

焼き物では「のどぐろの塩焼き」が登場。脂ののった身がふっくらと焼き上げられ、添えられた酢橘をひと搾りすると、その香ばしさが一層際立つ。

締めは「桜海老と筍の炊き込みご飯」。香りと旨味、そして季節感がしっかり感じられ、赤出汁と香の物で最後まで余韻を楽しめた。

「澤崎」は、料理、器、空間すべてに美意識が通っており、静かに料理と向き合える貴重な場所。季節を変えて、また訪れたくなる名店だった。大切な時間を過ごしたい夜に、ぜひ思い出したい一軒。

大井町駅から少し歩いた場所にある「新松（しんまつ）」は、昔ながらの大衆酒場の空気を色濃く残す、肩肘張らずに立ち寄れる居酒屋。店内はカウンター席とテーブル席がほどよく配置されており、ひとり飲みもグループ利用も心地よく楽しめる。

この日はまず、「まぐろぶつ」と「ポテトサラダ」を注文。まぐろは厚めにカットされ、赤身の旨みがしっかり。わさび醤油でさっぱりといただける。ポテトサラダは昔ながらの味で、きゅうりとハムのバランスが絶妙な一品だった。

続いて「もつ煮込み」。味噌ベースのスープはまろやかで、もつは柔らかく煮込まれていてクセもなく、しみしみの大根やこんにゃくと一緒に食べるとさらに美味しさが引き立つ。

焼き物からは「鶏皮串」と「ねぎま」を。炭火の香ばしさがほんのり残り、塩加減もほどよい。焼きたてを頬張ると、お酒がぐっと進む。

ドリンクは定番の生ビール、ホッピー、焼酎、日本酒としっかり揃っていて、どれもリーズナブル。店員さんの対応も気さくで、常連さんとの会話も温かく、居心地の良さがにじみ出る。

「新松」は、派手さはないけれど、しっかり美味しくて安心できる一軒。日常のなかでちょっと一杯飲みたい夜に、自然と足が向いてしまう、そんな場所だった。またふらっと訪れて、今日のおすすめを肴に静かに杯を傾けたくなる。

五反田駅から徒歩圏内にある「やまたい国」は、ユニークな店名にふさわしく、ジャンルにとらわれない自由な発想の創作料理が楽しめるレストラン。店内はどこか異世界感もある個性的な雰囲気で、壁に飾られたアートや照明の演出も印象的。

この日はコースではなく、気になる料理をアラカルトで注文。まず「サーモンのカルパッチョ」は、厚切りのサーモンに柚子胡椒ソースが効いたひと皿で、見た目の華やかさも味のインパクトも十分。

続いて名物の「やまたい風スペアリブ」。じっくりと煮込まれたお肉はホロホロに柔らかく、特製ダレの甘辛さが絶妙でごはんにもお酒にも合う味わい。骨までしゃぶりたくなるほど。

意外な一品として「チーズたっぷりの土鍋麻婆豆腐」も。見た目はこってりだが、山椒がしっかり効いた麻辣感とチーズのまろやかさのバランスがよく、クセになる味だった。

ドリンクは日本酒、焼酎、クラフトビール、さらには自家製サワーやオリジナルカクテルまで多彩。どの料理にも合わせやすく、飲みながらの会話も弾む。

エンタメ性と確かな味が融合した「やまたい国」は、友人と賑やかに楽しむ夜にぴったり。また違う料理やお酒を試しに、何度でも“冒険”したくなるような遊び心あふれるレストランだった。

五反田駅からほど近いビルの一角にある「居酒屋ちょこっと」は、その名の通り“ちょこっと”立ち寄って楽しめる気軽さが魅力の居酒屋。カウンター中心のコンパクトな店内は、どこか家庭的で温かみのある雰囲気。ひとりでも、軽く一杯だけでも入りやすい空気が心地よい。

この日はまず、おすすめメニューの「おばんざい3種盛り」を注文。ひじきの煮物、切り干し大根、ほうれん草のおひたしと、どれもやさしい味付けで、まるで家で食べるような安心感。出汁の使い方が丁寧で、素材の味を活かした仕上がりに思わずほっとする。

次に頼んだ「厚揚げ焼き」は、外はカリッと香ばしく、中はふんわり。生姜と醤油でシンプルにいただけば、熱燗との相性も抜群。こういう“ありそうでない一品”がしっかり美味しいのが、このお店の良さ。

名物の「自家製つくね」は、炭火で香ばしく焼かれており、黄身にくぐらせて食べるとコクと旨みがさらに広がる。口の中で肉の旨みと香ばしさが一体となって、満足感の高い一皿だった。

ドリンクもビールやサワー、日本酒が揃っており、種類は少なめながら厳選されていて料理に合うものばかり。全体的にリーズナブルなのも嬉しい。

「ちょこっと」寄ったつもりが、ついつい長居してしまうような居心地の良さと丁寧な味。「今日は軽く飲みたいな」という気分の夜に、ふらりと訪れたくなる一軒だった。