石丸牛丸 さん
2025-03-26

優雅でやさしい和のひととき 戸越「はんなりや」で味わう京風おばんざい

5.00


東急池上線・戸越銀座駅からすぐ、商店街の路地裏にひっそりと佇む「はんなりや」は、京都の雰囲気漂うやさしいおばんざいと日本料理が楽しめる小さな和食店。店名の通り、どこか“はんなり”とした柔らかい空気が店内に流れており、カウンター中心の落ち着いた空間でゆったりとした時間が過ごせる。

この日は「おばんざい盛り合わせ」と「出汁巻き玉子」を注文。盛り合わせは、南瓜の煮物、ひじきの炊いたん、白和え、焼き茄子など、少しずついろいろ楽しめる構成。どれも出汁の香りがふんわりと立ち上り、やさしい味わいで、しみじみと心に染みる。

出汁巻き玉子はふわふわとした食感とじゅわっと広がる出汁の旨みが絶妙で、まさに職人技が光る一皿。醤油を垂らすのも良いが、そのままでも十分に完成された味だった。

季節限定の一品料理も豊富で、この日は「秋鮭ときのこのホイル焼き」や「鱧の天ぷら」なども登場。いずれも素材の持ち味を活かしたやさしい味付けで、日本酒との相性も抜群。

お酒は全国各地の日本酒や焼酎が揃っていて、料理に合わせたペアリングも楽しめる。スタッフも丁寧で、ゆっくり料理を味わいたい気持ちに寄り添ってくれるのが嬉しい。

「はんなりや」は、日常の中にほんの少しの特別を感じられるような、やさしい和の時間を過ごせる一軒。次は季節を変えて、また別のおばんざいを楽しみに訪れたい。

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はんなりや
  • 大森海岸駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

旬の美味を丁寧に味わう 戸越銀座「かずさ」で過ごす和のやすらぎ

5.00


東急池上線・戸越銀座駅から歩いてすぐ、商店街の中に静かに佇む「日本料理 かずさ」は、四季折々の素材を活かした丁寧な料理が楽しめる隠れ家のような和食店。木を基調とした落ち着いた店内は、カウンターとテーブル席があり、静かに料理と向き合いたいときにぴったりの空間だ。

この日は「おまかせ会席コース」をいただいた。前菜には、季節の野菜を使った小鉢が美しく盛られ、それぞれの味付けと食感の違いが楽しめる内容。特に「蕪と帆立の白和え」が絶品で、口当たりの良さと素材の甘みが印象的だった。

続くお椀は「鯛と筍の吸い物」。ふくよかな出汁の香りと春の素材の組み合わせが心地よく、ひとくちごとに季節の移ろいを感じる。お造りは熟成をかけた真鯛と鮪で、醤油をつけるのがもったいないほどの旨みが広がった。

焼き物には「甘鯛の松笠焼き」。皮はパリッと香ばしく、身はふっくらとした火入れ。添えられた酢橘との相性も良く、日本酒が自然と進む一皿だった。

締めには「桜海老と新生姜の土鍋ご飯」。立ち上る香りと優しい味わいが、最後のひと口まで余韻を残してくれる。

「かずさ」は、丁寧な技とやさしいもてなしがしっかりと感じられる、日本料理の基本に忠実な良店。喧騒を離れて、心を整えたい夜にまた訪れたくなる、そんな一軒だった。

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かずさ
  • 中延駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

ほっとする洋食と気さくな空気 戸越「洋食居酒屋 日実子」で味わう癒やしのひと皿

5.00

都営浅草線・戸越駅からすぐ、商店街の中にひっそりと佇む「洋食居酒屋 日実子(ひみこ)」は、家庭的な洋食をおつまみ感覚で楽しめる、アットホームな居酒屋。木の温もりを感じる小さな店内には、常連さんとのやりとりが飛び交い、初めてでも自然と馴染める空気が流れている。

この日はまず、おすすめと書かれていた「ビーフシチュー」を注文。コトコト煮込まれた牛肉はとろけるほど柔らかく、濃厚なデミグラスソースが深みのある味わい。パンやワインと合わせても美味しそうな一品だが、日本酒との相性も意外と良い。

続いて「チキン南蛮」は、自家製タルタルソースがたっぷりかかっていて、甘酢とのバランスも絶妙。揚げたてのジューシーな鶏肉がたまらず、ビールが進む。

もう一品、「ポテトサラダの燻製風味」もユニーク。ほんのりスモーキーな香りが広がり、シンプルながらひと工夫された味わいで、ついつい箸が止まらない。

ドリンクは、定番の生ビールやサワー、ハイボールに加えて、自然派ワインや焼酎なども揃っており、洋食との組み合わせも楽しめるのが魅力。

「日実子」は、居酒屋でありながら料理のクオリティが高く、ほっとする味と気さくな接客に癒やされる場所。仕事帰りに立ち寄って、やさしい洋食と一杯を楽しみたい、そんな気分に寄り添ってくれる一軒だった。

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洋食居酒屋日実子
  • 不動前駅
  • 居酒屋
石丸牛丸 さん
2025-03-26

老舗の貫禄と繊細な技が光る 南大井「松月」で味わう和の心

5.00

京急線・立会川駅からほど近い場所に佇む「松月(しょうげつ)」は、落ち着いた和の空間で、季節感あふれる日本料理がいただける老舗の一軒。外観は控えめながら風格があり、店内に入ると畳敷きの和室と、丁寧に手入れされた設えが迎えてくれる。

この日は「会席コース」をいただいた。先付は「季節の八寸」。旬の素材を用いた小鉢が美しく並び、それぞれに違った味わいと食感があり、スタートから料理人の繊細な感性が感じられる。

お椀は「鱧と冬瓜の吸い物」。澄んだ出汁が体にすっと染み入り、ふわりとした鱧のやさしい旨みとともに、夏の涼を感じさせてくれる一椀だった。

お造りは中トロ、縞鯵、帆立の三種盛り。包丁の引き方や盛り付けにも無駄がなく、醤油ではなく塩や柑橘で楽しむ提案もされ、素材の持ち味がより引き立っていた。

焼き物は「甘鯛の若狭焼き」。皮目はパリッと香ばしく、身はしっとりとした絶妙な火入れで、付け合わせの酢取り野菜との相性も抜群。

締めには「釜炊きの季節ご飯」と赤出汁。今回はとうもろこしの炊き込みで、ほのかな甘みと米の立ち方が印象的だった。

「松月」は、華美ではなくとも誠実で丁寧、そして上質。大切な席や、静かに和食を楽しみたい夜にふさわしい、凛とした空気をまとった一軒だった。季節ごとに表情を変える料理を、また味わいに訪れたい。

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松月
  • 五反田駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

昭和の趣と郷土の味 荏原中延「秋田屋」で味わう心ほどける和食時間

5.00

東急池上線・荏原中延駅からすぐの「秋田屋」は、どこか懐かしさを感じさせる店構えと、やさしい味わいの日本料理で長年地元に愛され続けている老舗の一軒。暖簾をくぐると、木の香りと静かな空気に包まれた、落ち着きのある空間が広がる。

この日は夜の「季節の御膳」をいただいた。前菜には「ふきのとうの白和え」や「菜の花の辛子和え」が並び、春の訪れを感じさせる軽やかな味わい。出汁の使い方が丁寧で、一口ごとにほっとする美味しさ。

お造りは鯛・本鮪・帆立の三点盛り。厚切りのネタはどれも新鮮で、特に帆立の甘さが際立っていた。手間のかかった盛り付けにも店主のこだわりを感じる。

焼き物は「銀だらの西京焼き」。身はふっくらと柔らかく、味噌の香りと甘みが絶妙。日本酒と合わせれば、じんわりと幸せな気持ちになれる一品だった。

締めには「筍と油揚げの炊き込みご飯」と赤出汁。炊き込みご飯は土鍋で炊かれた香ばしいおこげがアクセントになり、最後まで季節感と丁寧さを感じる内容。

「秋田屋」は、どこか懐かしく、それでいてしっかりとした和の技が感じられる、穏やかな時間を過ごせるお店。日常の延長にある“ご褒美のような晩ごはん”を味わいたくなったら、またふらりと訪れたい。

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秋田屋
  • 下神明駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

旬の一皿に心ほどける 旗の台「食彩 きく直」で味わう和の美学

5.00

東急大井町線・旗の台駅からほど近く、路地裏にひっそりと佇む「食彩 きく直」は、四季折々の食材を活かした丁寧な日本料理が楽しめる、大人の隠れ家的な一軒。店内は静かで落ち着いた雰囲気で、木の温もりと料理人の所作が映えるカウンターが印象的。

この日は夜のおまかせコースをいただいた。前菜には「空豆と白海老の白和え」。春の甘みとふくよかな豆の香り、そこに優しい出汁の味わいが重なり、いきなり心を掴まれる一品。

お椀には「若竹煮の清まし仕立て」。筍の食感と出汁の透明感、そしてほんのり香る木の芽が絶妙で、思わず静かに味わいたくなる。

お造りは、熟成された鯛、中トロ、そして炙りの金目鯛。一品ごとに包丁の冴えを感じさせ、素材の旨みを最大限に引き出している。盛り付けも端正で、目にも美味しい構成だった。

焼き物には「のどぐろの塩焼き」。脂ののった身はふっくらとしていて、シンプルながら贅沢な味。日本酒と一緒にいただくと、まさに至福の瞬間。

締めは「しらすと新生姜の炊き込みご飯」。炊き立ての香りとしらすの塩味、新生姜のさっぱりとした香りが絶妙に混ざり合い、最後の一口までじっくりと楽しめた。

「きく直」は、気取らず、それでいて芯の通った和の仕事を味わえる貴重な場所。季節が変わるたびに、また違った一皿を楽しみに訪れたくなる、日本料理の美しさと優しさが詰まった一軒だった。

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食彩 きく直
  • 武蔵小山駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

老舗の風格と確かな味 大井町「長野屋」で楽しむしみじみ和のひととき

5.00

JR大井町駅から徒歩すぐ、歴史を感じさせる趣のある佇まいが印象的な「長野屋」は、地元に長く愛される老舗の日本料理店。店内は落ち着いた和の空間で、カウンターや小上がりの席もあり、ひとりでもグループでも心地よく過ごせる雰囲気。

この日はランチで「天ぷら定食」をいただいた。海老、キス、ナス、ししとうなどがカラッと揚げられており、衣は軽く、素材の味がしっかり感じられる仕上がり。天つゆも出汁の風味がしっかりしていて、薬味との相性も抜群。

ご飯はつやつやに炊き上げられていて、赤出汁と香の物もついてバランスが良く、丁寧に仕上げられた和の定食という印象。派手さはないが、じんわりと心と体に染みるような、安心感のある味だった。

夜には、刺身、煮物、焼き物、揚げ物など一品料理も豊富にそろい、日本酒や焼酎とあわせてじっくり楽しめる。特に「銀だらの西京焼き」や「鯖の味噌煮」が人気とのことで、次回は夜にしっぽり飲みに来たいところ。

「長野屋」は、変わらない良さを大切にしながらも、ひとつひとつの料理に誠実さが宿る和の名店。気取らず、美味しいものを静かに味わいたい日に訪れたい、そんな一軒だった。

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長野屋
  • 戸越公園駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

東京湾を眺めながら贅沢な和の宴 品川「屋形船 むつみ丸」で味わう特別なひととき

5.00

品川エリアの運河から出航する「屋形船 むつみ丸」は、東京湾の夜景を眺めながら本格的な和食とお酒を楽しめる、非日常感たっぷりの屋形船体験ができる一軒。船に乗り込むと、畳敷きの座敷が広がり、どこか懐かしくて落ち着く空間が迎えてくれる。

この日はコース料理で乗船。まずは「前菜盛り合わせ」から。海老の旨煮、出汁巻き、季節の煮物などが美しく盛られ、見た目も味も華やか。屋形船という特別な舞台にふさわしい丁寧な内容だ。

続いて登場したのは「新鮮なお刺身盛り合わせ」。マグロ、鯛、甘海老、いくらなど、どれも厚切りで食べ応えがあり、海の上で味わう刺身はまた格別。キリッと冷えた日本酒とともに、心も体もほぐれていく。

天ぷらは船内で揚げたてを提供してくれ、エビ、キス、舞茸など、揚げたてならではのサクッとした衣と素材の香りが楽しめる。特にエビはぷりっとしていて甘みも強く、塩でシンプルにいただくとより引き立つ。

締めには「おにぎりと味噌汁」が出され、しっかりと満足できる構成。食後には夜景を眺めながらのクルーズタイムがあり、東京タワーやレインボーブリッジを見ながらの一杯は、まさに至福のひととき。

「むつみ丸」は、料理の質も高く、サービスも丁寧で、記念日や会食、ちょっとした非日常を楽しみたい夜にぴったり。次は昼の便で、また違った東京湾の表情を見ながら、和の味わいを楽しんでみたい。

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屋形船 むつみ丸
  • 北品川駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

四季を映す繊細な和の一皿 大崎「染川」で味わう上質な日本料理

5.00

JR大崎駅からほど近い場所にある「染川」は、落ち着いた和の空間で、旬の食材を活かした日本料理が堪能できる隠れ家的な一軒。店内は木の温もりに包まれた静かな雰囲気で、カウンター席とテーブル席があり、ゆったりとした時間が流れている。

この日は季節の「懐石コース」をいただいた。前菜は「鴨ロースと菜の花の辛子和え」、ほどよく燻された鴨の香ばしさと、春のほろ苦さが絶妙に調和した一品。見た目も華やかで、始まりから期待が高まる。

お椀物には「若竹椀」。柔らかく煮含めた筍と、わかめの風味が口の中にふわっと広がり、出汁の力強さと繊細さが同居した深い味わい。お造りでは、熟成をかけた真鯛や平目など、素材ごとに丁寧な仕立てが施されており、まさに職人技が光る内容だった。

焼き物は「銀鱈の西京焼き」。漬け込みの塩梅が絶妙で、表面は香ばしく、中はしっとり。箸を入れるたびに広がる味噌の香りと魚の旨みが、日本酒と抜群の相性を見せてくれる。

締めには「山菜の炊き込みご飯」と赤出汁。香り高く、季節の恵みを存分に感じられる仕上がりで、最後の一口までじっくり味わえるコースだった。

「染川」は、料理・空間・もてなしのすべてに品があり、静かに“和食”と向き合いたい夜にぴったりの場所。次は秋や冬、別の季節の顔を楽しみに、また訪れたくなる名店だった。

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染川
  • 五反田駅
  • 日本料理
石丸牛丸 さん
2025-03-26

静けさの中に宿る職人の技 五反田「なかね」で味わう季節の日本料理

5.00

五反田駅からほど近い静かな路地裏にひっそりと佇む「なかね」は、落ち着いた空間で本格的な日本料理が楽しめる隠れ家的な一軒。木の温もりが漂う店内は、カウンター越しに料理人の手仕事を眺められる特別な空間。まさに“大人の食事時間”にふさわしい雰囲気だ。

この日は「おまかせコース」でゆったりと。前菜には季節の野菜を使った小鉢が数品並び、ひとつひとつに丁寧な包丁と味つけが光る。特に「空豆と白和え」は、春の香りとやさしい甘みが絶妙だった。

続く椀物は「鱧と若芽の吸い物」。ふんわりとした鱧の身に、出汁の透明感が寄り添い、口に含むたびに香りが広がる。お造りでは、本鮪・縞鯵・帆立の三点。どれも鮮度はもちろん、熟成のタイミングが絶妙で、醤油をつけるのが惜しいほど。

焼き物には「甘鯛の鱗焼き」。カリッと香ばしい鱗の下に、しっとりとした白身。添えられた酢橘が爽やかに香り、口の中で完成される一品だった。

締めは「桜海老と筍の炊き込みご飯」。土鍋で炊き上げられたご飯は香り高く、最後の一口まで丁寧な仕事が感じられる。赤出汁と香の物とともに、余韻をゆっくり味わえた。

「なかね」は、華やかさよりも芯の通った“和の本質”を感じさせてくれる一軒。季節の移ろいと向き合いながら、また次の一皿に出会いたくなる、そんな静かな余韻を残してくれる店だった。

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なかね
  • 鮫洲駅
  • 日本料理